お問合せ

2025.01.08

省合金二相ステンレス鋼SUS821L1が茨城県那珂市木崎浄水場の配水池タンクに採用

日鉄ステンレス株式会社(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:井上昭彦、以下「当社」)の省合金二相ステンレス鋼SUS821L1(NSSC 2120®/21Cr-2Ni-N)が、茨城県那珂市木崎浄水場2号配水池のタンクに採用されました。SUS821L1が配水池タンクに採用された初の事例となります。

木崎浄水場では、供用開始から30年以上が経過し、老朽化したコンクリート製配水池の更新を進めており、2015年に建設された1号配水池のタンクには汎用オーステナイト系ステンレス鋼SUS304が採用され、その実績からステンレス鋼製タンクの優れた耐震性やメンテナンス性が認識されていました。

今回の2号配水池タンク建設におけるステンレス鋼素材の選定に際しては、SUS821L1がSUS304と同等以上の耐食性を持ちながらも、レアメタルであるニッケル添加量の削減により環境負荷低減に寄与すること、さらにはSUS304の約2倍の強度があることから、SUS304製の1号配水池タンクとの比較で約18%の薄肉軽量化が可能となり、使用材料の削減と施工取扱いの容易化によるコストダウンを実現できること、当社が溶接部の強度、靭性および耐食性の評価等についてのソリューションを提供したこと等が評価され、SUS821L1が採用されました。なお、厳しい腐食環境である同タンクの気相部については、より高い耐食性を有する当社の二相ステンレス鋼SUS329J4Lが使用されました。

ステンレス製配水池タンクは、溶接一体構造による水密性や高い靭性による耐震性、内部防水塗装や補修手間のかからないメンテナンス性、解体時のリサイクル性といった優位性が評価され、広く普及しております。本案件を契機に、今後は軽量化等の大きなメリットが加わる省合金二相ステンレス鋼SUS821L1の配水池タンクへの採用拡大が期待されます。

当社は、今後も独自二相ステンレス鋼シリーズをはじめとする高品質なステンレス鋼製品を使用環境に応じた適材適所のソリューション提案によりご提供することで、国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs) (「3. すべての人に健康と福祉を」、「6. 安全な水とトイレを世界中に」、「11. 住み続けられるまちづくりを」)に適った、安全で快適な暮らしを実現する質の高い社会インフラ整備に貢献して参ります。

【物件概要】

発注者 茨城県那珂市
工事名称 那水工第9号 木崎浄水場2号配水池新設工事
受注者 ヤマト・鶴田組特定建設工事共同企業体
タンク施工者 森松工業株式会社
2号配水池概形 φ23.4m×9.7mH(配水池容量3,500㎥)
鋼材使用量 SUS821L1薄板・厚板(液相、屋根、底板部)約50トン
SUS329J4L厚板(気相部)約20トン
写真1. 木崎2号配水池全景(奥は1号配水池)
写真2. 木崎2号配水池屋根部
写真3. 木崎2号配水池全景(奥は1号配水池)

(お問い合わせ先)

厚板営業部 03-6841-0812