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2024.07.04

省合金二相ステンレス鋼SUS821L1が日本下水道事業団発注のゲート設備に採用

日鉄ステンレス株式会社(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:井上 昭彦、以下「当社」)の省合金二相ステンレス鋼SUS821L1(NSSC 2120®/21Cr-2Ni-1Cu-N)厚板が、地方共同法人日本下水道事業団(以下「日本下水道事業団」)*1が発注した箕島ポンプ場ゲート設備に採用されました。

箕島ポンプ場(和歌山県有田市)は、供用開始から40年以上が経過し設備の老朽化が進み、普通鋼に塗装を施して製造されたゲート設備は、塗膜の剥離や鋼材の腐食による減肉・穴開きによる水漏れ等のおそれがあるなど、機能が十分に発揮できない事態が懸念されておりました。

日本下水道事業団では、ゲート設備の更新にあたり長寿命化と無塗装化による維持管理費の削減の観点から、その主要部材の素材として当初は汎用オーステナイト系ステンレス鋼SUS304の採用を検討されていました。しかしながら、SUS821L1がSUS304と同等以上の耐食性を有しつつ約2倍の強度があり、更にレアメタルであるニッケルの添加量を削減することで環境負荷の低減に寄与する点が評価され、今回の採用となりました。

当社の省合金二相ステンレス鋼SUS821L1は、その優れた耐食性と強度による設備の軽量化と長寿命化、メンテナンスフリーによる維持管理費用削減効果が注目され、沈砂池関連設備や流入ゲート等の下水道設備への適用が拡大していますが、我が国の下水道処理場建設の7割に携る日本下水道事業団に今回採用されたことで、下水道設備への今後一段の二相ステンレス鋼の普及が期待されます。

当社は、独自二相ステンレス鋼シリーズをはじめとする高品質なステンレス鋼製品を、使用環境に応じた適材適所のソリューション提案によりご提供することで、今後とも安全で快適な暮らしを実現する質の高い社会インフラ整備に貢献して参ります。

*1 地方共同法人日本下水道事業団(「日本下水道事業団」)について
地方公共団体の委託に基づき、全国の下水処理場やポンプ場の建設工事などにおいて、地方公共団体の業務を代行する法人。

【物件情報】

発注者 地方共同法人日本下水道事業団
工事名 有田市箕島ポンプ場 水処理設備工事その3
受注者およびゲート製造 株式会社丸島アクアシステム
使用鋼材および使用量 SUS821L1厚板 合計約7トン

①背戸川制水扉

型式 電動式鋼製スライドゲート
寸法 幅2,000mm×高さ2,100mm
数量 2門
鋼材使用量 約3トン

②箕島都市下水路3号樋門

型式 電動式鋼製ローラーゲート
寸法 幅3,500mm×高さ2,450mm
数量 1門
鋼材使用量 約4トン
図1. 背戸川制水扉
図2. 箕島都市下水路3号樋門
図3. 箕島都市下水路3号樋門(開口時)

(お問い合わせ先)

厚板営業部 03-6841-0812

以上