お問合せ

2022.06.22

独自二相ステンレス鋼NSSC®2351薄板がウニ畜養施設に採用

日鉄ステンレス株式会社(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:井上昭彦、以下「当社」)の独自二相ステンレス鋼NSSC 2351(23Cr-5Ni-1Mo-N)薄板が、このたびウニノミクス株式会社殿(以下、「ウニノミクス殿」)が山口県長門市のマルヤマ水産有限会社殿と共同で建設されるウニ畜養施設に初採用されました。

コンブなどの海藻が生い茂る沿岸の藻場は、海中の生態系の維持や光合成による二酸化炭素の吸収など様々な役割を持っていますが、近年、藻場が著しく衰退してしまう海の砂漠化である「磯焼け」問題が、日本を含め世界各国で深刻な環境・社会問題となっています。この磯焼け原因のひとつが、地球温暖化に伴う海水温上昇や魚の乱獲などの環境変化によって異常繁殖したウニによる食害であり、ウニの除去による藻場の保全・修復が図られています。

ウニノミクス殿は、ノルウェー食品・漁業・水産養殖研究所(NOFIMA)の技術を基に、磯焼け状態の海で採捕した市場価値のない痩せウニを、食用に適した身入りと品質のウニに畜養する事業を商業規模で展開する世界初の企業であり、通常は廃棄されてしまう痩せウニの畜養により、藻場の保全・修復の促進と食料資源としての有効活用を実現されています。

海水が使用されるウニ畜養施設では、従来は高耐食オーステナイト系ステンレス鋼SUS316L(18Cr-12Ni-2.5Mo)クラスの耐食性を有する素材が用いられてきましたが、今回ウニノミクス殿には、NSSC2351がSUS316Lと同等以上の耐食性を有しながら、Ni、Moなどのレアメタル含有量を大幅に削減することで、環境親和性が高く、価格安定性に優れ、またSUS316Lよりも高強度であることから装置全体の強度向上につながることなどをご評価いただき、新施設の素材としてご採用いただきました。

当社は、今後も地球環境に配慮した省資源型・高機能商品をはじめとした広範な商品ラインナップにより、幅広いお客様のニーズに的確にお応えするとともに、ソリューション営業を通じた用途拡大と安定供給に取り組んでまいります。

【物件概要(敬称略)】

発注・施工 ウニノミクス株式会社
設置場所 山口県長門市
設置時期 2022年8月予定
使用量 NSSC®2351薄板 約20㌧

(お問い合わせ先)

商品開発部 03-6841-5290