2022.03.11
日本製鉄株式会社(以下、日本製鉄)の意匠性チタンTranTixxii®(トランティクシー)と、日鉄ステンレス株式会社(以下、NSSC)の高耐食性フェライト系ステンレス鋼薄板NSSC®220Mを使用した、三菱ケミカルインフラテック株式会社(以下、三菱ケミカルインフラテック)のチタン/樹脂/ステンレス鋼複合板、アルポリック/fr® TCM(Titanium Composite Material 以下、「TCM」)*1が中国江蘇省の揚子江国際会議センター(Yangtze River International Conference Center、施主:江蘇省政府)の屋根に採用されました。
中国は、日本製鉄とNSSCの素材を使用したTCMの世界最大の市場ですが、本物件の採用面積47,000㎡(チタン使用量:71トン、ステンレス鋼使用量:130トン)は、採用実績の中でも2017年に竣工した中国江蘇省の江蘇大劇院73,000㎡(チタン使用量:85トン、ステンレス鋼使用量:170トン)に次ぐ、二番目に大きい規模となります。
揚子江国際会議センターは、新しい開発都市である江北新区における象徴的な建築物です。今回、これまでの素材の意匠性を含む中国国内での採用実績に加え、三菱ケミカルインフラテックがBIM(Building Information Modeling)活用により環境に配慮した最適パネル設計を提案したことが高く評価されての採用決定となりました。
TCMに使用されているチタンとステンレス鋼は、高い耐食性から塗装をする必要がなく、メンテナンスの手間を省けると同時に、素材面からの金属イオン溶出が極めて少なく、リサイクルも可能であるなど、環境負荷を軽減できる素材です。
チタンは、鉄と同等の強度を持ちながら、他の建築用金属素材と比較して比重が小さいため、薄肉化による総重量の軽量化が可能になり、運搬や施工時の負荷が軽減出来るなど、CO2削減に寄与します。
また、NSSC®220Mは、ニッケルをほとんど含まない省資源ステンレス鋼として価格安定性に優れていることに加え、汎用の高耐食ステンレス鋼であるSUS316(オーステナイト系)より高い耐食性を持ち、さらにはチタンに近い線膨張係数*2であることから、温度環境変化によるパネルの歪みを抑制することが可能です。
日本製鉄グループは、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)にも合致した製造プロセスの開発、優れた製品・サービスの提供を通じて社会の発展に貢献して参ります。
*2 線膨張係数について
温度上昇による物体の長さや体積が膨張する割合を温度あたりで示したもので、熱膨張係数とも呼ばれています。
JIS規格では単位は毎ケルビン(/K)と定められています。
名称 | 揚子江国際会議センター(Yangtze River International Conference Center) |
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基本設計 | Morphosis Architecture |
実施設計 | 北京市建築設計研究院有限公司 |
建設 | 中国建築第八局工程局有限公司 |
チタン使用量 | 71トン |
ステンレス鋼使用量 | 130トン |
竣工・オープン | 2021年10月 |
日本製鉄株式会社 総務部広報センター03-6867-3419 チタン営業部自動車・建材室03-6867-5611
日鉄ステンレス株式会社 商品開発部03-6841-5290
以上